車両用コンビニフック開発プロジェクト

ポップリベット・ファスナー株式会社は、自動車市場におけるファスニングの分野では多くの実績があるにもかかわらず、機構部品に関する実績は少なく、当然設計ノウハウも何もない状況でした。
そんな中、独自の締結構造を織り込んだ「車両用コンビニフック」の開発プロジェクトが開始します。それは私たちにとって「やったことのない」挑戦となりました。
そして生み出された車両用コンビニフック。車両のデッキサイドで使用されるコンビニフックですので意匠性を重視して設計しています。機構部が表に出ないように軸部に開閉機構を集約している点が一番のポイントです。実際に車に組み込まれた見た目はもちろんのこと、フィーリングにも拘った仕上がりとなりました。
使用感においても、ガタツキや開閉時の節度感を重視しつつ、高級感も感じていただけると思います。
今回のプロジェクトで機構部品の実績を残せたことは当社にとって非常に大きな一歩となりました。「ポップリベット・ファスナー株式会社は機構部品もできる」というイメージをお客様に持っていただけたこと、そしてフィーリングに関する高い評価を頂いたことは、今でも嬉しく思います。早速次期車への搭載も決まり、徐々にポップリベット・ファスナー株式会社の機構部品が市場に広がっていくことに期待を感じています。

開発の背景

受注決定時、お客様の認識として「ポップリベット・ファスナー株式会社は機構部品の実績がある」と思われており、蓋を開けてみたら「実は実績がなかった」というドタバタからのプロジェクトスタートでした。
弊社としては実績がないので、いろいろな検証を必要なため試作品を起こさせて欲しいとの要望を打ち上げましたが、日程と費用の関係から、一発量産で進めることになってしまい、失敗の許されないプレッシャーをいつも以上に感じたことを覚えております。

開発過程の苦労・繰り返した試行錯誤

とにかく実績がないというスタートであったため、他社品のベンチマークから始めました。いろいろなコンビニフックを集め形状や構造を理解し、フィーリングを確かめました。

新たな問題と乗り越えた軌跡

また物が完成し、イベント納入が始まると新たな問題が発生しました。
切削品では確認することができなかった「耐久性」の問題です。人が触る部分で何度も開け閉めを繰り返します。機構の集中した軸部分の負荷が高くなってしまい、軸が削れてフックが垂れ下がってしまうのです。フィーリングを向上させるために、軸に抵抗を持たせていたのも原因の一つでした。
2015年4月にお客様品質管理部門の担当者様から要請により、九州に飛んでいきました。車の立ち上がりまで4ヶ月を切っていたので、早急に対応するよう強く指摘されたことを覚えています。
しかし、お客様のレイアウトの関係上、他社品の構造を参考にはできずに、独自で機構から検討する必要が出てきました。
また高級車に使用される部品であるため、意匠の制約が厳しく、機構部を外からは見えないように隠さなくてはならなかったのです。そのために、唯一意匠部位ではない軸部分に開閉機構を集約しなくてはならなくなりました。
数パターンの構造を検討しましたが、フィーリング(使用感)に関しては実物で確認するしかなく、構造を変えるたびに切削品を作り検証するという繰り返しでした。機構や形状の確定も、最終的には切削品でお客様に了解を得た形となりました。

解決へ向けて

フィーリングを変えずに対策する方法として材料変更・グリス塗布・板バネ構造など関係部署を巻き込んで検討しました。最終的にはベースとなるパーツの材料変更で軸削れは軽減され、評価試験にも合格し無事に立ち上げに至りました。
垂れ下がり不具合対策で検討したグリス塗布や板バネ構造などは、特殊な技術の部類になると思います。本プロジェクトでの採用にはなりませんでしたが、ここで培った技術や経験を今後に行かせていければ良いと思っています。

ユーザーに伝えたい、開発者からのメッセージ

ポップリベット・ファスナー株式会社で開発される製品のほとんどが人目につかない、目立たない部品ですが、それぞれに開発者の想いが詰まっています。お客様に喜ばれ、安心して使える製品を会社一丸となって作っています。これからも現状に満足せず、常に良いものを作りたいという気持ちを持って日々精進していきたいと思っています。

あなたにとってものづくりとは?

「ものづくり」で重要なことはどんな所でどのように使われるかを理解し、使う人のことを考えて作ることが大切だと思います。
また、常に良いものを作りたいという気持ちを大切にしたいと思っています。ただ良いものを作りたいと思っていても、自分に技術がなければ良いものを作れませんし、関係部署の協力も必要になります。そのため日々技術や知識を学び、自分の思いを形にしていけたら良いと思っています。

プロジェクト担当者:プラスチック技術部 設計グループ S

経歴
2005年 ポップリベット・ファスナー株式会社入社 品質保証部所属
2008年 プラスチック技術部に配属
2010年 トヨタ自動車へ2年間出向
2012年 帰任後1年間R&D業務を経てプラスチック技術部で自動車部品の開発・設計に携わる

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